コラム

液状化現象が起こりやすい場所とは?地形や地盤の特徴や確認方法を解説

地震大国である日本において、液状化現象は見過ごすことのできない重大なリスクです。

2011年の東日本大震災では、千葉県浦安市をはじめとする広範囲で液状化が発生し、道路の変形や上下水道の破損、建物の傾斜など、インフラ施設に甚大な被害をもたらしました。液状化現象は、どこでも起こるわけではありません。

埋立地や旧河道、大河川沿岸など、特定の地形条件が揃った場所で発生しやすいことがわかっています。つまり、液状化リスクの高い場所をあらかじめ把握し、適切な対策を講じることで、被害を軽減することが可能なのです。

この記事では、液状化現象が起こりやすい8つの地形の特徴を詳しく解説するとともに、国土地理院の土地条件図やハザードマップを活用したリスクの調べ方、地盤改良などの具体的な対策方法まで、インフラ管理者に必要な知識を網羅的に紹介します。

そもそも液状化現象とは

液状化現象とは、地震の揺れによって地盤が液体のような状態に変化する現象のことです。

通常、砂質土の地盤では、砂粒子同士がかみ合うことで安定し、その隙間を地下水が満たすことで安定した状態を保っています。ところが強い地震動が加わると、砂粒子のかみ合わせが外れ、粒子がバラバラになります。

この結果、地盤内の水圧が急激に上昇し、砂粒子が水に浮いたような状態となり、地盤全体が液体状に変化するのです。

液状化が発生すると、地盤の支持力が著しく低下します。重い構造物は沈下や傾斜を起こし、逆に軽い地中構造物であるマンホールや埋設管などは浮き上がります。

また、地表では噴砂や噴水が発生し、道路や建物に深刻な被害をもたらします。

とくにインフラ施設においては、上下水道管の破損や道路の変形など、住民生活に直結する被害が広範囲に及ぶため、液状化リスクの正確な把握と適切な対策が求められます。

液状化現象が発生する仕組み

液状化現象は、3つの段階を経て発生します。

平常時、砂質土の地盤では、砂粒子同士が接触し合い、その接点で摩擦力が働くことで地盤の強度が保たれています。

この状態を「有効応力が作用している状態」と言い、地盤は構造物を安定して支えることができます。砂粒子の隙間には地下水が満たされていますが、水圧は正常な範囲内です。

地震が発生すると、繰り返しの振動によって砂粒子の配列が乱れ、粒子同士のかみ合わせが緩んできます。この過程で地盤全体が収縮しようとしますが、砂粒子間の水は瞬時に移動できません。

その結果、地盤内の水圧が急上昇し、砂粒子を押し上げる力が働きます。水圧の上昇により、砂粒子同士の接触が失われ、粒子が水中に浮遊した状態となります。このとき、地盤の強度はほぼゼロになります。

地震後、上昇した水圧は時間とともに地表へ向かって移動し、噴砂や噴水として地表に現れます。水が抜けた後、砂粒子は再び沈降・堆積しますが、この際に地盤全体の体積が減少するため、地表面の沈下や陥没が発生します。

また、水平方向にも地盤が移動することがあり、これを「側方流動」と呼びます。

この一連の過程により、地盤は本来の支持力を失い、構造物に甚大な被害をもたらすのです。

液状化現象による主な被害

液状化現象が発生すると、インフラ施設を中心に広範囲にわたる被害が生じます。ここでは、主な被害の種類とその特徴について説明します。

地面から水や砂が噴き出す

地震による液状化では、地盤内の水圧が急上昇し、地表の亀裂や弱い部分から、水と砂が勢いよく噴出する現象が見られます。これを「噴砂」や「噴水」と呼びます。

噴砂は道路や宅地を覆い、堆積した土砂の撤去には多大な労力と時間を要します。交通障害が長期化し、緊急車両の通行にも支障をきたします。

また、噴砂が乾燥すると粉塵となって飛散し、周辺住民の健康被害や視界不良による二次災害のリスクも高まります。

道路管理者にとって、噴砂の堆積物除去は復旧作業の初期段階における重要な課題となります。

地中構造物が浮き上がってくる

液状化が発生すると、地盤が液状化した部分では、浮力が作用するようになります。マンホールや共同溝、地中に埋設されたタンクなど、中空で比重の小さい構造物は、この浮力によって地表に押し上げられます。

コンクリート製のマンホールでも、内部が空洞であるため水よりも軽く、1m以上浮き上がる事例も報告されています。浮き上がったマンホールは道路の通行を妨げるだけでなく、接続された管路を引きちぎり、下水道機能を停止させます。

東日本大震災では、千葉県浦安市において約120基のマンホールが浮上し、下水道の復旧に1か月以上を要しました。このような被害は、インフラの機能停止期間を長期化させ、住民生活に深刻な影響を及ぼします。

上下水管やガス管が破損する

液状化による地盤の沈下や側方流動により、地中に埋設された管路が引っ張られたり、曲げられたりして破損します。とくに、異なる地盤条件の境界部や、構造物との接続部で被害が集中します。

上水道管が破損すれば断水が発生し、飲料水の確保が困難になります。下水道管の破損は、汚水の流出による衛生環境の悪化を招きます。

また、破損箇所から土砂が管内に流入すると、液状化していない地域にまで影響が波及し、広域的な機能停止につながります。

ガス管の破損は、ガス漏れによる火災や爆発の危険性があり、二次災害のリスクが極めて高くなります。

ライフラインの復旧には、破損箇所の特定、土砂の除去、管路の交換など、多くの工程が必要となり、長期間にわたってインフラ機能が停止する可能性があります。

建物が傾いたり倒壊したりする

液状化によって地盤の支持力が失われると、建物は不同沈下を起こし、傾斜や倒壊に至ることがあります。

不同沈下とは、建物の各部分が異なる量だけ沈下する現象で、建物に大きな応力が生じ、構造的な損傷を引き起こします。

住宅では、基礎にひび割れが入る、壁に亀裂が走る、ドアや窓が開閉できなくなるといった被害が発生します。傾斜が大きくなると、居住が困難になるだけでなく、長期間の生活によりめまいや吐き気などの健康被害も報告されています。

公共インフラにおいては、橋台や擁壁の傾斜、電柱の倒壊なども発生します。これらの構造物の損傷は、交通網の寸断や電力供給の停止など、広範囲にわたる機能不全を引き起こします。

建物の傾斜角度が一定以上になると、修復は困難となり、建て替えが必要になるケースもあります。

出典:国土交通省 「リスクコミュニケーションを取るための液状化ハザードマップ作成の手引き」1-2. 液状化による被害とその影響

交通障害や事故を誘発する

液状化による道路の変形は、交通機能を著しく低下させます。路面の波打ちや段差の発生により、車両の通行速度が制限され、場合によっては通行止めとなります。

とくに問題となるのは、災害時における緊急車両の通行への影響です。救急車や消防車、警察車両が被災地に到達できない、あるいは到達が大幅に遅れることで、人命救助や消火活動に支障をきたします。初動対応の遅れは、被害の拡大に直結します。

また、段差や陥没した道路では、車両の横転や衝突事故のリスクが高まります。歩行者にとっても、亀裂や噴砂によって足元が不安定となり、転倒事故などの危険性が増します。

道路管理者は、液状化リスクの高い路線を事前に把握し、代替ルートの確保や道路構造の強化など、減災対策を講じることが重要です。

液状化現象が起こりやすい場所の特徴

液状化現象は、特定の地形や地盤条件が揃った場所で発生しやすくなります。ここでは、リスクの高い場所の特徴を詳しく解説します。

埋立地

埋立地は液状化リスクが高い代表的な地形です。とくに造成後50〜60年以内の比較的新しい埋立地では、地盤の締固めが不十分である場合が多く、液状化が発生しやすい状態にあります。

埋立に使用される材料も液状化リスクに大きく影響します。海砂や川砂など、粒径が揃った砂質土で埋め立てられた地盤は、粒子間の隙間が均一となり、地震時に容易に液状化します。

一方、粘土やシルトを多く含む材料や、礫を混合した材料で埋め立てられた地盤は、相対的にリスクが低くなります。

東日本大震災では、千葉県浦安市の埋立地で大規模な液状化が発生しました。この地域は1970年代〜1980年代にかけて造成された比較的新しい埋立地であり、広範囲にわたって地盤沈下や噴砂が確認されました。

埋立地の管理者は、造成年代と埋立材料の情報を正確に把握し、必要に応じて地盤改良などの対策を検討する必要があります。

かつて川や沼・池があった場所

旧河道や旧池沼を埋め立てた土地は、液状化リスクが高い場所として知られています。これらの場所は、もともと水が滞留していたため、地下水位が高く、水で飽和された状態にあることが多いためです。

旧河道は、過去に川が流れていた跡地であり、河床に堆積した砂質土で構成されています。川の流路は自然災害や人為的な河川改修によって変更されることがあり、その跡地が宅地や農地として利用されるケースは少なくありません。

旧池沼も同様に、水を多く含んだ軟弱な地盤であることが多く、埋立後も地下水位が高い状態が続きます。埋立に使用された土砂の締固めが不十分である場合、液状化のリスクはさらに高まります。

これらの土地を見分ける手がかりとして、地名に「川」「谷」「田」「沼」「池」などの文字が含まれている場合、過去にそのような地形であった可能性があります。土地の購入や公共事業の計画段階では、古地図や土地条件図を確認し、地歴を調査することが重要です。

大河川の近く

大河川の沿岸部、とくに下流域は、液状化リスクの高いエリアです。河川の下流域は三角州や後背低地、旧河道から構成され、全体的に地下水位が高く、地盤の締まりが緩い傾向にあります。

河川は、長い年月をかけて上流から運んできた土砂を下流域に堆積させます。とくに洪水時には大量の砂質土が運ばれ、河岸や氾濫原に堆積します。これらの堆積物は、粒径が比較的均一な砂質土であることが多く、液状化の条件を満たしやすいのです。

河川の合流部や屈曲部は、過去に氾濫が繰り返された地域であり、とくに注意が必要です。これらの場所では、洪水のたびに土砂が堆積し、軟弱で液状化しやすい地盤が形成されています。

1964年の新潟地震では、信濃川の旧河川敷で深刻な液状化が発生し、鉄筋コンクリート造の県営アパートが横倒しになるなど、甚大な被害が生じました。この事例は、大河川沿岸における液状化リスクの高さを示す重要な教訓となっています。

砂鉄や砂礫の採掘跡地の埋戻し地盤

砂鉄や砂礫の採掘跡地を埋戻した地盤は、液状化リスクの高い場所として認識されています。

かつて日本では、砂鉄の採掘が盛んに行われていましたが、1960年代頃までの採掘では、掘削した穴を周囲の土砂で埋め戻す際に、十分な締固めが行われていませんでした。その結果、埋戻し地盤は緩い状態のまま放置され、地震時に液状化しやすい条件が整っています。

砂礫の採掘跡地も同様で、露天掘りによって深い穴が形成され、その後の埋戻しが不十分であった場合、液状化リスクが高くなります。埋戻しに使用された土砂が砂質土である場合、リスクはさらに増大します。

これらの採掘跡地は、一見すると堅固な地盤に見えることもありますが、実際には地下深くに緩い層が存在し、地震時に予期せぬ被害をもたらす可能性があります。

土地の購入や公共事業の計画では、過去の土地利用履歴を調査し、採掘跡地でないかを確認することが重要です。

比高の小さい自然堤防

自然堤防は、河川の氾濫によって形成された微高地ですが、比高が小さい自然堤防は液状化リスクが高いとされています。

自然堤防は、洪水時に河川から運ばれた砂や礫が河岸に堆積して形成されます。堆積物は粒径の揃った砂質土であることが多く、地下水位も高いため、液状化の条件を満たしやすいのです。

微高地であるため、一見すると水害のリスクが低く、安全な土地に見えますが、液状化に関しては逆に注意が必要です。比高が小さい自然堤防では、地下水位が地表近くまで達していることが多く、地震時に液状化しやすい状態にあります。

国土地理院の土地条件図では、自然堤防は明確に区分されています。これらの地形を確認し、液状化リスクを評価することが、適切な土地利用計画を立てる上で重要です。

砂丘間低地

砂丘間低地は、砂丘と砂丘の間に位置する低地で、液状化リスクの高い地形のひとつです。日本では、日本海沿岸や鹿島灘、遠州灘沿岸などに広く分布しています。

砂丘は、長年にわたって風によって運ばれた砂が堆積して形成されます。砂丘を構成する砂は、粒径が非常に均一であることが特徴です。粒径が揃った砂は、地震時に粒子間のかみ合わせが外れやすく、液状化しやすい性質を持っています。

砂丘間低地は、砂丘に囲まれた地形的な低地であるため、地下水位が高くなりやすい環境にあります。雨水や地下水が集まりやすく、常に水で飽和された状態が維持されることが多いのです。

これらの条件が重なることで、砂丘間低地は液状化リスクが非常に高い場所となります。

沢や谷を埋めた盛土の造成地

丘陵地や山間部の造成地において、沢や谷を埋めた盛土部分は、液状化リスクが高い場所として注意が必要です。

一般的に、丘陵地は地盤が安定しており、液状化リスクは低いとされています。しかし、造成の際に谷や沢を埋め立てた部分は、盛土の厚さが大きく、地下水が集まりやすい地形となっています。

谷埋め盛土では、盛土材料として使用された土砂の締固めが不十分である場合が多く、緩い地盤が形成されます。また、谷底には地下水が流れていることが多く、盛土後も地下水位が高い状態が続きます。

東日本大震災では、丘陵地の谷埋め盛土造成地で噴砂が確認されました。このことから、一見安全に見える丘陵地の造成地でも、谷埋め部分では液状化が発生する可能性があることが明らかになりました。

造成地の購入や開発計画では、盛土の厚さや材料、地下水の状況を詳細に調査することが重要です。

過去に液状化現象が起きた土地

過去に液状化が発生した土地は、再び液状化が起こる可能性が高いとされています。

液状化によって一度噴砂が発生した地盤は、砂粒子が再堆積することで密度が高まり、液状化しにくくなるという説もあります。しかし、実際には砂粒子が密に詰まるとは限らず、再液状化のリスクは依然として高いと考えられています。

とくに、液状化の原因となった地盤条件が改善されていない場合、次の地震でも同様の被害が発生する可能性があります。地下水位が高い状態が続いている、緩い砂質土の層が残っているといった条件が変わらなければ、再液状化のリスクは高いままです。

過去の液状化履歴は、自治体が作成した液状化ハザードマップや、過去の地震被害記録から確認することができます。これらの情報を活用し、過去に液状化が発生した土地では、より慎重な対策を講じることが求められます。

液状化現象の起こりやすさを調べる方法

液状化リスクを正確に把握するためには、複数の情報源を組み合わせて総合的に判断することが重要です。ここでは、実務で活用できる調査方法を紹介します。

国土地理院の土地条件図を見る

国土地理院が提供する土地条件図は、液状化リスクを評価する上で最も基本的、かつ重要な資料です。土地条件図では、地形を詳細に分類し、それぞれの地形における液状化発生傾向を把握することができます。

土地条件図は、国土地理院のウェブサイト「地理院地図」から閲覧可能です。地形分類のベクトルタイル版を表示することで、対象地域の地形分類を詳細に確認できます。

国土交通省の資料によれば、地形分類ごとの液状化発生傾向は5段階に評価されています。「埋立地」「砂丘末端緩斜面」「砂丘・砂州間低地」「旧河道・旧池沼」が最も液状化リスクが高い地形とされ、「山地」「丘陵」「台地」などはリスクが低いとされています。

土地条件図を活用することで、広域的な液状化リスクの分布を把握し、インフラ更新計画や防災計画に反映させることができます。

出典:国土交通省「リスクコミュニケーションを取るための液状化ハザードマップ作成の手引き」

ハザードマップで確認する

国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」では、液状化リスクを含むさまざまな災害リスク情報を一括で確認できます。

ハザードマップポータルサイトの「重ねるハザードマップ」機能を使用すると、地形分類、過去の地形、土地条件図などを重ね合わせて表示できます。

これにより、対象地域の液状化リスクを多角的に評価することが可能です。

また、各自治体が作成した「わがまちハザードマップ」も併せて確認することが重要です。自治体のハザードマップには、地域の詳細な地盤情報や過去の被害実績が反映されており、より具体的なリスク評価が可能になります。

ハザードマップは、住民への説明資料としても活用でき、防災意識の向上にも寄与します。

出典:国土交通省「ハザードマップポータルサイト」

自治体の液状化予測図で確認する

多くの自治体では、独自の液状化予測図を作成し、公開しています。液状化予測図は、地盤のボーリングデータや過去の地震被害記録をもとに、詳細な液状化リスク評価を行ったものです。

東京都では「東京の液状化予測図」が公開されており、250mメッシュ単位で液状化の危険度が示されています。

この予測図では、PL値という指標を用いて液状化の可能性を3段階に分類し、視覚的にわかりやすく表示しています。

液状化予測図は定期的に改訂されるため、最新版を確認することが重要です。地盤改良が実施された地域や、新たなボーリングデータが追加された地域では、評価が変更されることがあります。

自治体の液状化予測図は、インフラ更新計画の優先順位を決定する際の重要な判断材料となります。

出典:東京都「東京の液状化予測図 令和5年度改訂版」

自治体の液状化相談窓口で相談する

多くの自治体では、液状化に関する相談窓口を設置しています。土木部や建築部、都市計画部などが窓口となり、専門的な知見にもとづいたアドバイスを提供しています。

相談窓口では、対象地の液状化リスクに関する情報提供だけでなく、具体的な対策工法や、補助制度の有無についても相談できます。

また、過去の被害事例や、地域の地盤特性に関する詳細な情報を入手することも可能です。

公共インフラの管理者であれば、他部署との連携窓口として活用することで、庁内の情報共有を円滑に進めることができます。若手職員への指導資料として、相談窓口から入手した資料を活用することも有効です。

地盤調査を行う

最も確実に液状化リスクを評価する方法は、地盤調査を実施することです。ボーリング調査と標準貫入試験を組み合わせることで、地盤の土質、N値、地下水位などを正確に把握できます。

標準貫入試験では、地盤にハンマーで打撃を加え、サンプラーが30cm貫入するのに必要な打撃回数(N値)を測定します。N値20以下の緩い砂質土層が、地下水位以下に存在する場合、液状化のリスクが高いと判定されます。

簡易的な調査方法として、スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)があります。SWS試験は比較的低コストで実施できますが、土質や地下水位を直接測定できないため、液状化判定には補足調査が必要です。

公共工事では、ボーリング調査を実施し、詳細な地盤データを蓄積することが、長期的な防災対策の基盤となります。

液状化リスクを軽減するには?

液状化リスクが確認された場合、適切な対策を講じることで被害を軽減することができます。ここでは、インフラ施設における実効性の高い対策を紹介します。

地盤改良を行う

地盤改良は、液状化リスクを根本的に低減する有効な対策です。以下は、主な地盤改良工法となります。

  • 表層改良工法:地表から2〜3m程度の浅い層を改良する工法です。セメント系固化材を土と混合し、地盤の強度を高めます。比較的軽量な構造物や、液状化リスクが浅い層に限定される場合に有効です。
  • 柱状改良工法(深層混合処理工法):地中深くまで円柱状の改良体を造成する工法です。セメント系固化材をスラリー状にして地中に注入し、原位置の土と混合・攪拌して固化させます。軟弱地盤が深い場合や、重い構造物を支持する必要がある場合に適用されます。
  • 格子状改良工法(TOFT工法など):液状化層を格子状に改良し、地盤全体の変形を抑制する工法です。大規模なインフラ施設や、広範囲の液状化対策に適しており、道路や港湾施設などで採用実績があります。
  • 排水工法:地盤内にドレーン(排水材)を設置し、地震時に発生する過剰間隙水圧を速やかに消散させる工法です。間隙水圧の上昇を抑えることで、液状化の発生を防ぎます。

これらの工法は、地盤条件や構造物の種類、予算などを考慮して選定する必要があります。

強固な地盤まで杭を打つ

液状化層の下に支持層が存在する場合、杭基礎を採用することで構造物の安定性を確保できます。杭を支持層まで到達させることで、液状化層の影響を受けずに構造物を支持します。

小口径鋼管杭工法は、直径10〜30cm程度の鋼管杭やコンクリート杭を用いる工法です。比較的施工が容易で、狭い場所でも対応可能なため、既存の構造物周辺での施工にも適しています。

杭基礎を採用する際には、液状化時に発生する負の摩擦力(ダウンドラッグ)を考慮する必要があります。

液状化層が沈下する際、杭に下向きの力が作用し、杭の支持力が低下する可能性があります。設計段階で適切に評価し、杭の本数や径を決定することが重要です。

また、液状化に伴う側方流動により、杭に水平力が作用することも考慮する必要があります。杭の曲げ耐力や地盤の変位量を評価し、必要に応じて杭の補強を行います。

地震保険の普及とリスク管理

地震による液状化被害は、インフラ施設だけでなく民間資産にも甚大な影響を及ぼすため、ソフト面の対策として地震保険の活用が不可欠です。

地震保険は、地震や津波、噴火による建物や家財の損害を補償する制度です。液状化による建物の傾斜や沈下も補償対象となるため、住民に対してその重要性を周知することは、被災後の円滑な生活再建を支えることにつながります。

また管理者側としては、公的な救済制度である「被災者生活再建支援制度」などの仕組みを正しく把握し、住民への情報提供を迅速に行える体制を整えておくことが求められます。

あわせて、インフラ管理組織内部では、公共施設の損害に対する共済制度や予備費の活用、さらには事業継続計画(BCP)にもとづいた財政リスクのシミュレーションを行っておくことが重要です。

液状化による被害を想定したBCPを策定し、優先的に復旧すべきインフラの順位や代替手段を明確にしておくことで、災害時の初動対応を迅速化し、被害の最小化を図ることが可能となります。

まとめ

液状化現象は、地震によって砂質土の地盤が液体状に変化し、インフラ施設に甚大な被害をもたらす現象です。埋立地や旧河道、大河川沿岸など、特定の地形条件が揃った場所で発生しやすく、道路の変形や管路の破損、建物の沈下など、広範囲にわたる被害が生じます。

液状化リスクを正確に把握するためには、国土地理院の土地条件図やハザードマップ、自治体の液状化予測図を活用し、必要に応じて地盤調査を実施することが重要です。リスクが確認された場合は、地盤改良や杭基礎の採用など、適切な対策を講じることで被害を軽減できます。

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